2009年3月31日火曜日

ロンドン旅行記<4> - 2日目、ベタな観光へ

2日目の朝。時差ボケが気になってたけども、そんな心配もなくグッスリ眠り、朝は早く起きれた。

ロンドンの朝はどんなものかと思い、外に出て散歩してみた。
ホステルのあるハマー・スミス駅の駅前は車通りが多いが、一歩裏手に出てみると閑静な住宅街に。東京と同じくらいの気温と聞いていたので、やはり肌寒かった。通勤で駅に向かうらしき人たちとすれ違いつつ、のんびりと朝の空気を楽しむ。



細い一本道に並ぶ路上駐車の車、それに沿って並ぶ家々。両脇には街路樹が立っていて、合間から冬の澄んだ空が見渡せる。日本みたく電柱が立ち並び、電線が空を区切っているといったゴミゴミした印象は受けず、こんなところからも外国らしさを感じる。

ホステルに戻り、朝ごはん。ホステルでも朝食はタダでしたが、普通の食パン、胚芽入り?パンに紅茶とコーヒー、他にはシリアルと牛乳の中から自由に取っていくスタイル。シンプルな朝食やけど、いつも朝食はパン食の身にとってはごく自然な感じでした。

食後に紅茶(普通のティー・バッグだった)で落ち着いてから、銀行で現金を引き出し、コインランドリーで洗濯。これも海外で初めてだったが何とかこなし、荷物の整理をしてからいざ、ロンドンの観光地巡りへ!

地下鉄でテムズ川沿いのウェストミンスターへ向かい、まずは初日にも見たビッグ・ベンと国会議事堂へ。駅から地上への出口の真上にそびえ立っていたのでビックリ。近くのウェストミンスター橋から撮るのがベスト・ポジションらしく、早速そこへ向かう。

しかし橋に差し掛かったとたん、見知らぬオバサンがいきなり胸ポケットに作り物のバラを差し込んできた。何かと思えば子どものための寄付を募っていると言い出し、「少しでもいいから…」とせがんでくる。断ればよかったものの、気さくに話しかけてくるので断りきれず。仕方なくコインで勘弁と思い財布を出すと、「紙幣の少ないのでもいいヨ」と言ってくる。こっちは貧乏旅行だし、紙幣はさっき引き出した10ポンド紙幣だったのでさすがにそれは出せず、コイン2ポンド分で勘弁していただいた。



どうにか切り抜け、橋の撮影ポイントでビッグ・ベンを撮影。観光スポットだけに外国人ばかりだったが、その中にいた日本人らしき観光客も同じく寄付をせがまれたのか、財布を広げていた。本当に寄付ならいいけど…外国人を狙ってくるのはホントに勘弁してほしい。



そこからは近くのウェストミンスター寺院へ。建物の荘厳さからイギリスの歴史を感じながら、入場の列に並んで寺院の中へ。入ってすぐに吹き抜けの高い天井、壁には色とりどりのステンドグラス、壇上前では牧師の説教の光景が見られた。音声ガイドを片手に内部を見て回ると、国王や女王の墓が鎮座し、ニュートンなどの有名な研究者や、シェイクスピア、ディケンズといった著名な芸術家の墓碑が壁や床に埋め込まれている。回廊の柱と芝生の中庭の風景も美しい。

一通り見てまわり、寺院の裏口に出る。
時間はお昼過ぎ、昼食にしたいなと思いながらも、テムズ川の船上から建物を見てまわれるシティ・クルーズを次に考えていたので、川の方へ舞い戻っていった。


-つづく-

2009年3月23日月曜日

ロンドン旅行記<3> - 初日、おっかなびっくり

無事にロンドンの地を踏み、ホステルのチェックインも済ませたところで早速街の中心部に繰り出す。

到着した3月15日は、セント・パトリックス・デイ(アイルランド発祥のキリスト教にまつわる記念日)の記念パレード&イベントがロンドンでやってるらしいので、それを見に行ってみた。

宿泊先のハマー・スミスから地下鉄ピカデリー線に乗り、パレードの出発点に近いハイドパーク・コーナーへ。しかし丁度ヒースローに着いた頃にパレードが始まり、すでに15時ごろになっていたので、パレードは終わった後らしく残念ながら見れずじまい。



駅から地上に出ると、ロータリーを走る黒タクシーやダブルデッカー(2階建て赤バス)や、向こう側に見える緑緑した公園など、都会にしては気持ちの良さそうな風景が目に入る。

早速写真でも撮ろうかとしたところ、携帯を持った人が話しかけてきた。どうやらバッテリー切れで友人に電話をかけられず、自分のSIMを使うからちょいと携帯を貸してくれないかと言ってくる。人の携帯を盗む気満々じゃないのかと警戒心高ぶるが、今回の旅では準備に時間がなく、料金もかかるし短い旅なら必要ないだろうと海外で使える携帯は持ってきていなかったので、そんな心配もなく。「携帯持ってきてないよ」と言ったらあっさり立ち去って行きました。

しかし街に繰り出して早々、外国人を狙ってくる輩の洗礼に遭った(と思う)わけで…その後もひったくりとかに遭わないか、内心ビクビクしながら遊歩道や公園ののんびりした雰囲気を楽しむ。



地理をよく分からないまま歩き進めると、思いがけず訪れる予定だったバッキンガム宮殿に行き当たる。女王の住まいだけに立派な建物で、外側には頑丈な柵がめぐらされていた。見に行く予定の衛兵交代式はこの中の敷地でするのか、といい下見になりました。



さらに東に進むと、公園の向こう側にビッグ・ベンが顔を覗かせる。そっちの方に公園を突っ切ると、チャーチル博物館と首相官邸にたどり着く。テムズ川からほど近く、ビルの合間からビッグ・ベンの姿がよく見えると、テムズ川は近いなとテンションが上がる!

建物から開けたところまで来たところで、イベントの催されているトラファルガー・スクエアの方へ。近くまで来ると緑一色のシャツや飾りの付いた帽子を身につけた人が目についてくる。会場は人混みがすごく賑やかだったけど、広場の中に入って行くには無理があったので、近くのナショナル・ギャラリーに逃げ込むように入る。

外の喧噪から一転して芸術鑑賞のための静かな空間へ。雰囲気の差に若干戸惑いつつ、英語のマップをもらいあちこち鑑賞。とはいえクタクタだったのか、のんびり歩き回って鑑賞できるほど頭が回転せず…勿体ないながらも閉館時間が近かったので17時ごろに後にする。

しかしまだ夕方。宿泊先に戻るにはまだ早いと感じ、不意にハリー・ポッターのロケ地、キングス・クロス駅に行こうと思い立つ。ホグワーツ魔術学校に出向く汽車に乗る「9と3/4番線」が浮かんだのでフラッと行ってみた。改札をくぐる必要があるのかと気になったがそんな心配もなく、すんなりとプラットフォームへ。歩き進むと8番線の奥にありました! すでに日本人らしき女の子たちが写真を撮ってて、やはり人気なんやなぁと改めて実感。



無事に写真に収めたところで、夕食をどうしようかと考え始める。近くの店でいいやと思ったところに、駅構内のサンドイッチ屋を発見。フランスパンを使ったBLTの細長いサンドイッチを水と一緒に。腹が膨れたところで地下鉄に乗り、ホステルに舞い戻る。

入国とプチ観光とでクタクタだったので、帰り着くとすぐに横になり爆睡。翌日はベタな観光スポット巡りと決めていたので、それに備えて休みました。
初めて一人で海外に飛び出した。ここはロンドンよな!と軽く達成感に浸りつつ。


-つづく-

ロンドン旅行記<2> - 初日、試練の始まり

深夜0時前に日本を発つ。
1週間ほどのお別れやけど、さよならニッポン。

離陸してすぐに夕食がサーブされる。
すでに空港で済ませてきたし寝たいし、この時間におかしいやろと思いつつも…初機内食なのでありがたく頂く。CAの人が乗客に聞いて回ってたけど、この時点ですでに英語。さすが海外の航空会社! ビーフかチキン、和食の選択肢の中でチキンを頼むと、パイ生地のようなものの中にトマトソースで煮込んだ鶏肉が出てくる。とりわけ酷いものでもなかったので普通に頂きました。

夕食を頂いてから寝ようと毛布と枕を使ってみたが、シートのリクライニングの仕方がわからず聞くのも面倒だったので、普通に座る状態のままどうにか眠りにつく。しかし体勢からして寝にくいのと、どのあたりを飛んでるのか気になって画面を眺めているとあまり深い眠りにつけず。ドーハまで約9時間のフライトだったが、前半戦でやられ気味。

翌日6時すぎに、中継地点のドーハに到着。ここからロンドン・ヒースロー空港行きに乗り継いで、あこがれのイギリスの地を踏んだのは昼12時ごろ。ターミナルまでの長い長い通路を経て(関空はターミナルから出発ゲートまで自動運転のモノレールが運行していたので楽チンだったが)、入国審査もどうにかこなし、宿泊先のホステルに向けて地下鉄へ。



ロンドンの地下鉄は普通に切符を買うより、日本のICOCA、SUICAのようなICカード「Oyster」を使うとおトクと聞いていたので、早速地下鉄の駅でカードを購入。保証金で3ポンド(約400円)+チャージ(top-up)したい金額を支払う。top-upは5ポンド単位ででき、とりあえず10ポンド分入れてもらって乗車する。

予想より早く宿泊先に着く。1階はパブ(バー)になっていて、夜になれば宿泊客だけでなく飲み客もやってきて賑わう感じのところ。とりあえずカウンターで荷物だけ預けてもらおうとしたところ、14時からでないと無理と言われる。あと10分経てば14時なので、それまでTVでやってるフットボールの試合を見ながら待つことに。まばらながらも周りの客は釘付けなようで、シュートが決まらず外れると 'Aoh~~!' とリアクション。少し眺めてると14時を過ぎたので荷物を預け、予定より早かったがその場でチェックインも済ませてくれる。

どうにか宿泊先までたどり着き、日本からの移動もここで一段落。
部屋も一通り見てみる。8人部屋と聞いていたが、何もなければ広めの部屋の中に2段ベッドが4つ、所狭しと並ぶ。隣のベッドにいた女の子と少ししゃべる。女子だけの部屋もあるみたいだったが、バックパッカー向けなら男女混合部屋も普通なのかと、少しカルチャー・ショックも受けつつ。

まだ昼下がりで時間があるので、ロンドン中心部まで出かけてみることにした。


-つづく-

ロンドン旅行記<1> - 思い切って海外へ

大学も卒業のこの春。
外国語大学に籍を置きながら、まったく海外に出たことがなく…学生のうちに思い出作りしたいのと、学生のうちにしか旅に出る時間がない、つまり今しかチャンスはない!ということで、海外旅行に行こうと思い立った。

行き先はロンドン!
ゼミでイギリス文学を勉強していたのもあってイギリスに惹かれ、卒業論文でシャーロック・ホームズの作品を扱ったので、是非とも本場に行ってみたいなと思ってロンドンに決定。

ただ予算とスケジュールの関係上、長旅はできず6日間の一人旅。
ツアーでは金もかかるし行くところが縛られる…せっかくなら貧乏旅行でいいから自由に回りたい!と感じ、先日お会いした高校の恩師と同じスクールの生徒の方との言葉が後押しして、初海外なのに何から何まで一人で準備することに。

期間は3月中旬と決めたものの、思い立った時点で既に2月末。海外旅行にはあまりに直前で唐突な思い立ちやけど、まずは航空券とパスポート、安いホステルの手配が先。どうにか手配を済ませ、同時進行で行きたいところのリサーチに入るも、ダラダラと調べてたので出発直前にようやく旅程を決める始末でした。

航空券は当初の出発予定日に発つ便がとれず、前日深夜発で翌日昼に到着という少しムチャな便に決定。しかも出発日にスクールでの授業があり、それが終わってから関空に直行という、出発日からハードかつ慌ただしいスケジュールになってしまった。しかし計画を立てたのがあまりに直前やし、こればかりは仕方ない。

刻々と出発日が近づくも、もっとワクワクしてもいい感じなんだが…確かにワクワク感もあるけど、不安感もあるせいかマイナス思考にもなりがちで妙に浮き沈みがあった気がする。もっと感動せんと、これは良くない傾向やなぁ。



そんな感じでも準備は進めつつ、出発日当日。
関空で飛行機に乗るところから初体験で、期待と不安の入り交じる感覚に浸りつつ、手続きを済ませていざ、ロンドンへ! 今回は直行便ではなくドーハ(中東の国・カタールの首都)経由の便なので、相当な時間がかかるやろうと覚悟して臨む。こうして旅の始まりとともに、ある種の試練の始まりでもあった。


-つづく-